要するに病気というのは、病は「気」と書きますが…「病は気から」と言いますが、具体的にどういう風になっているのか? 説明しようとしても案外できない。ここにセリエのストレス学説というのがあって、随分昔の説ですが…これだけでも知っておくと、心と体はそういうふうにつながっているんだ、心と病気というのはこういうふうにつながりがあるんだ、ということがわかると、瞑想する時に役に立つのではないかと思って、ここに書いてみました。
ストレスというのは色々ありますね。環境からくるストレス、化学物質や、汚い空気もそうですが、生物学的なウィルスとか細胞等…そういうものもストレスになります。
社会的なストレスといえば、経済的なもの、お金がある・ない等。仕事上の色々な問題。感情的な人間関係。霊的な見えない世界のストレス。
そういうストレスを受けた時に、我々の心や体はどう反応するか? ストレスを心で受けた時に、それが一体体にどういう風に伝わっているのか? 具体的に知っておくのは有益ではないか?
セリエが解明した世界は…我々のストレスが大脳の辺縁系に伝達されて、視床下部を刺激してホルモンを出します。伝達ホルモン。「副腎皮質を出しなさい」という物質を促進する物質。「出しなさい」という命令を視床下部に出します。そうすると視床下部は、脳下垂体に向けて「副腎ホルモンを出しなさい」という命令伝達を行います。それが脳下垂体に伝わって、またそれが副腎皮質に伝わって、副腎皮質はコルチゾールという物質を分泌します。それが免疫細胞を抑制するように働きます。それが病気の原因となります。免疫細胞というのは、T細胞や、ガン細胞を殺すナチュラルキラー細胞、体の中に入った異物を食べてしまうマクロファージ等を抑制するように働きます。コルチゾールというのは。そのように、ストレスを受けた心がこういう段階を通って病気を作っていくという訳です。
その時おもしろいのは、情報を伝えるという物質が、各部署から放出されるのです。それがとっても不思議な世界ですよね。
人間は言語、言葉でもって情報を伝達します。だけど細胞はホルモンだとかサイトカインだとか・・・そういう伝達物質を使います。そこに意思を感じますね。細胞が持っている心を感じます。あるいは分子が持っている心を感じます。あるいは原子が持っている心、意思を感じます。心と体の間には色々な伝達の方式があるというのは、人間と同じなのです。こういうことを我々が意識するということは、瞑想して何も考えないという状態とは違って、あらゆる次元で、原子や分子、細胞の次元、器官の次元、組織の次元…あらゆる次元でもって言葉がやりとりされているという訳です。それを私が瞑想しながら観賞する、観るという訳です。ここにはそういう極々わずか一部の経路しか書いてませんが、これを我々の体の中であらゆる細胞同士、あらゆる分子同士、あるいは原子同士、あるいは私たちを構成している素粒子、の間で、情報交換があるということをたったこれだけの事から理解するだけで随分認識が変わるというか、人間の見方が違ってくるということを言いたい訳です。
病気という一つの形態を考えていくと、そして心と体の関係を考えていくと、心と体のつながりが、実に精妙なつながりがあるということがわかってきます。