(2010年1月、静岡にて)
【要約】
ある評論家の方がガンになって、世界中の研究機関とか、ガンを研究しているドクターを廻って「ガンを治せるのか?」という疑問をぶつけるレポートがあったんですけど、非常に示唆に富んだ、東洋医術というか、我々の出番が本当に来たんだな、という様な内容だったのでお話しますが、彼が膀胱ガンだか何だかで、治療はするんだけど良くならない。それで治療の最前線はどうなっているのかという事で全世界を廻るんですよね。
結論として、ガンは治らない、今は治す事ができないという結論ですね。実に分かり易い、統計的な表が出てましたけど、ガンの最新の抗生物質を使って治療した場合と、何も手を施さなかった患者さんの場合と、どう違うかを比較したグラフが出てまして、実にびっくりする様な結果です。治療した場合も治療しなかった場合も、ほとんど同じなんです。生存率が。グラフの形もこういう形、最新的な治療を施した場合もこういう形、何にもしなかった場合もこういう形、ほぼ一緒のラインなんです。どういうことかと言いますと、最新の医学の抗生物質を使った、治療法を施したとしても、何もしなかった場合と何らほとんど差がない、そういう結果。
それをあるレポーターがそういう現状を見て「もう自分は薬を使わない。自然に任せる。」そういう講演会をお医者さんに向けて、患者さんに向けて全国的に行っているみたいなんですけどね。でもその治らないという治療に関しては西洋医学を施した場合ですね。抗生物質を使った場合ですね。私たちの東洋医術を使った内容は入ってなかったので。東洋医術を使った場合の“治癒”とか・・・それを入れたならば、もっと興味深いデータが出るはずですね。西洋医学ではとにかく今は治せないと。
で、もう一つ面白かったのは、なぜガンが治せないかというのを研究してみると、ガンというのは今まで悪党、悪党、悪党で・・・。やっつけなくちゃいけない。撲滅しなくちゃいけない。殺さなくちゃいけない、という考え方が主流なんだけれども、ガン細胞の個性として正常な細胞と同じ機能も持っている。ガン細胞も体にとっては無くてはならない細胞である、というような最先端の研究結果。だから殺せない、殺さない。殺しちゃうと正常細胞も死んでしまう。肉体自体が維持できないというような結果に至って、そこでそういう矛盾をどうやって克服するかがこれからの研究者の課題なんです。
だからガンが本当に治せる時代が来るのが、まだ先の話であるという結論ですね。だから東洋医術的な考え方がそこに入っていないんですよね。でも我々はずっと「ガンと共生する」とかね、「共に生存する」という考え方を持っていたりしますね。体自体の免疫力を上げる事によって、共生する、ガン細胞が働きにくくするという考え方を持って治療しているわけですよね。そっちの方が正しい考え方。やたらにガン細胞を憎んでいる、それがなくなったり消えちゃったりするという考え方はしていないですよね。とにかく免疫力を上げる。ガンが存在していたとしても仲良くやっていく。あるいはガンが人間という個体を殺さないようにする、そういう技術ですね。だから・・・「出番が来た!」というか、だんだんそういう事がわかってきて、西洋医術的な方法ではガンは撲滅できないという事がわかってきたので、どうしても東洋医術的な医療法を普及させる、という事ですね。
西洋医学にはどうしてもその思想的な面において、全体性というかね、トータル的に考えるという考え方がないので、とにかく切り刻んで、切り刻んでというか、こまかく分析をして事に当たるというか、そういう考え方なので、今はもう限界が来ている。東洋医術的な考え方、東洋思想的な考え方を取り入れないと、やっていけない。だから私たちの出番がもっと大きくなると思います。
阿保理論を読んでみると、瀉血療法の事を随分、取り上げてるんですよね。東洋医術の中の一つの技法なんですけど、それでガンが治ります、ガンを切らなくても良い。それからアトピーが消えるとか。喘息であれ何であれ、膠原病であれリウマチであれ、自律神経の調節を上手くやれれば、病気が改善出来る、治るという理論を立てて説明してありますね。科学的に証明されてる。
何千年前から東洋医術的なやり方なので、今急に発見した治療法ではないんですね。彼らはドクターだからね。ドクターの言うことは非常に説得力がありますよ。だから、ありがたいと言えばありがたいです。私たちのやっている事をドクターが宣伝してくれている。
「これは素晴らしい」と指摘して宣伝してくれている。自律神経のバランスを整えれば、すべての病気が改善出来るんだということは、東洋医術がやっていることです。灸だとか、針だとか、温熱療法だとか、バンキとか真空療法とか、指圧とか、マッサージとか、足もみ、半しゃく療法、すべてバランスを取るということです。その中の一つとして自律神経のバランスを取るということに着目して、研究して、そしてその成果を発表してますね。で、我々はあらゆる手を使って、まあ漢方薬もそうなんですね。バランスを取る。宇宙全体の中のそういう自然界の中の法則を的確に理解して、それを人体に適用する。そしてバランスを取る。そして病気を消すというか、病気と上手く付き合うというか。病気に苦しめられない、そういう体を造る。
一番単純で分かりやすい考え方をしてみると、これが一番説明して納得しやすいなと思う考え方は、我々がやっている内容、物理的療法であれ、サプリメントであれ、とにかく、呼吸してる息ありますよね。息してない人? おりません。息みんなしていますよね。その呼吸する息をですね、伸びやかに、自由に、闊達にしてあげる、そういう心と体を造る医術だと。我々がやっていることはすべてがそうです。指圧する、マッサージする、鍼する、お灸する、温熱、瀉血、バンキとか…全部ね。深い呼吸、強い呼吸、自由な呼吸が出来るようにしてあげる。そこに着目して治療していくといいですよ。肩こり一つあって、頭が痛いとか、便秘があって、かゆいとかいう症状があると、深い呼吸は出来ません。深い呼吸こそ、強い呼吸こそ、人間を健康にする、一つの大きなテーマなんです。目的なんです。目標なんです。足をももうが、耳をももうが。だから、治療が良くわからなくなって、「この病気に対してこんな治療でいいのかなぁ」なんて悩まないで、悩んだ時は…どんな呼吸してるかをチェックして、浅い呼吸している、ちょぎれている…そういうのを見てですね…深い呼吸をさせてあげよう。だから肩を踏んづけてあげるとかね。肩をほぐして肩関節をほぐしてあげるとか、それからお腹にリング灸をするとか…いうふうにすることによって、ゆったりとした深い呼吸をさせるようにしていく。
体内から出てくる時に肺呼吸に変わるんですね。その時に人間は息を吹き込まれているというような、聖書にもそう書いてあるんですけどね。命の息を人間に吹き入れて、それから人間は生きたものになる。命の息を頂いて、我々は肉体生活をして、あるいは霊的な生活をして、死んだら、死ぬ時には、吸って死ぬ人はいないんです。吐いて死ぬんですよね。見たことある人? 吐くとその息は何処に行くかというと、あの世に行くと。その息は息だけで行くわけじゃなくて、ちゃんと体を持って行くわけですけどね。
で、どんな息をしてるかでもって人格も大体決まるでしょ。おおよそ決まります。深い息、強い息のできている人は大物ですよね。小物は…弱い、浅い、薄い、そういう息をしている。一番強い息をしている人はどういう人かというと、どういう人でしょうか? 一番深い、強い息をしている人はお相撲さんかも知れないですね。朝青龍、横綱だったり、白鳳だったり大鵬さんだったり…それは、そういう訓練をするから。朝5時だか4時だか…3時だかに起きて何時間も稽古をして。もう、浅い息なんかしておれるわけじゃない。プロレスラーもどんなにかパワーのある呼吸をしている。あるいはスポーツ選手、マラソン選手、そういう人たちが一番パワーがある。あるいはオペラ歌手とかね。それは非常に興味深いです。で、そういう人たちは病気にならないわけじゃない。病気になっちゃうんだけど、でもそれはね、食い過ぎ、飲み過ぎ。遊びすぎ。病気になる。息が強くて、ただ深くていいわけじゃない。
ヨガなんかをなぜ人は深い息が出来るように訓練するんだろう? ねじって、ひっぱって、曲げて、伸ばして…体中あらゆる所にすみずみまで呼吸が、息が…あるいは「氣」ですね。息というのは=「氣」と言ってもいいですね。体中に心のすみずみまで、気を行き渡らせるようにするやり方、技法、ヨガ。だけどそればっかりやっていてもダメ。体が柔らかくなっちゃったらそれだけでいいのか? そんなことはない! じゃあ、サーカスの人なんかは病気なんかにならないはずですけど、そういうことでもない。ただ柔らかくなったらいいんじゃない。
それから「思想」をちゃんと入れないといけない。思想。調和、調和、調和・・・。
そしてよりもっと深くて強くて確実性の高い呼吸ができるようにしたらもっといい。
‘ヴォイストレーニング’をしたら、それと健康と結びつくんじゃないか? 腹の底から声が出るような訓練をしたら。
なぜか? 息を、息を・・命の息を訓練することになるから。ただ、何もわからないでやってもダメ! とにかく何もわからないで意味もなくやってもダメ! そうやって声を大きく出す、体の奥の方から出すことが出来たら、それにプラス、たとえば「`ありがとう`とか言って1万回やったらガンが消えちゃった」っていう話があります。ただ「ありがとう」をブツクサ、ブツクサ言っても関係ない! それをもしでっかい声で、オペラ歌手みたいに叫んだら、何かもっといいことがあるという。それは頭を働かせればわかります。
「ありがとう!」でも、ただ「ありがとう、ありがとう・・・」ボソボソいうこと。そういう共鳴させる。おもいっきりデカイ声で振動させて、バイブレーションさせて声を出せば、細胞が震えるんです。60兆なら60兆の細胞が震えるわけでしょ。そうやって調和されるっていうふうな、そういう世界があるんですよね。だから、そういう理論だとか思想だとかをしっかり持って、プラスとマイナスとか陽だとか陰だとか。そういう調和の世界をよく理解して理解して・・それでいろんな技法だとかを用いると面白いんだけど、着目する所が、ここでは・・「命の息」ですね。それに着目をして治療するようにすると、とても興味深い結果が出ると思います。だからそれをちゃんと取り入れて出来る人は、まあ、治っちゃいます。なんだかんだと言って、否定する人、妨害する人、受け入れない人は難しい。だから素直な人、ちょっとバカみたいに素直な人が一番やりやすい。
「皮膚病」といったらちょっと結構ややこしいですけどね。アトピーだとか。信じないから。信じることはなかなか難しい。かゆいからね。それから喘息とかね。咳やなんかしている人は難しい。だるいとかね。そういう統合失調症だとかね・・なんて言う、まず頭が働かない人はなかなか難しい。そういうことがなければ、病気は治せるようになっていると思いますね。いろんな技法があってね。やり方は色々あります。ただそれを勉強して理解して実践すれば、クスリなんか要らない。
まあ、そういうふうに考えて、物事を複雑に複雑に・・・分析して分析して・・・そうやる方法も、西洋学的な方法も勉強するのはいいんですけど、非常に単純明快に、そこに目を付けて・・・調和。調和と言ったらプラスとマイナスしかないんですね。緊張とリラックスしかないんですね。あったかい、冷たいしかないんですね。柔らかい、堅いしかないんですね。で、そういう調和をもたらすような治療。単純化して・・単純化していくと、効果、結果が出てくる。
今、ご自分の「息」を考えてみて下さい。それが自分です。私のレベルです。人格レベルです。1分間に何回呼吸してるか? ヨガとかちょっと訓練をすると1分間に1回、2回でいいんですね。あるいは2分、3分に1回とかね。なんかそんな超人もいますね。その位になると、深い深い心の世界を垣間見ることができるようになると。呼吸が浅いと、どうしてもその程度の世界でしか生きることができないので。こういう技法だとかを利用して、深く息を、自由に、闊達に出来るような体を造って。心も、あれこれあれこれ考えていると、無数の考え方がありすぎると、それにスッと捕まっちゃって、もう呼吸がその時に途切れちゃって、ちぎれてしまって、こういう深いゆったりとした呼吸が出来ないので。
とにかく人生生きて目的、目標とするところは”「息」を完成させる事でもある”とかね。
生きてる限りそういう命の息を完成させるという目標、目的があるようですね。どんな息なんだろう? 命の息。命の息は人間が造ったものじゃなくて、もらったものですよね。生まれる時にもらうんですね。自分が造る訳じゃないから。もらってこの世に現れるわけですよね。誰にもらうわけじゃない。命の根源からもらって。その息はどういうふうに完成させてくるか? 見守る人がいると。見守っている人がいる。だからこの世でいろんな苦しいこと悲しいこと、辛いいろんな経験、体験すればするほど、深い息、複雑でそして精妙な息を完成させることが出来るかもしれないから、世の中で苦労するからと言って悲しまないで、ただ辛い事ばっかり思わないで、そこでより強い、それを克服するためにもっと強い呼吸を会得しないといけないから。もっともっともっと。深い、広い、高い、そういう強い息を自分が会得したら、それだけ強い人になるというか。永遠の命に関わる問題ですよね。
東洋医術ってね、そういう世界なんですよ。東洋思想が背後にあるから。それを求めなくっちゃ東洋医術、つまんないんです。ただ健康になっておしまいじゃなくて。うんと先があってもっと先があって奥があって、東洋思想の奥は「一になる」ことだから。「一」と言ったら融合することだから。統一することだから。陰と陽がね。究極的なひとつになった状態を求めるのが「東洋思想」です。東洋医術はそれを実現するための方法なんですよね。
お互いに踏んずけ合って、こんちきしょう!とか。 堅い肩、堅い腹、堅い腰、背中、足、それを踏んずけて。踏んずけられたら喜んで「ありがとうございます!」というふうになるといいですよね。もっと深い呼吸が出来るようになるから。すみずみまで息が浸透する体になることが出来るから。足もんで・・痛いけど。やたらに痛くする人がいるけど。そうういう・・何をしてるかという事がわかったら、いいですよね。